プロ選手の得意なコート・苦手なコート

歴史に残るような大選手でも、プレーするコートの種類によっては、調子が出ないということがあります。選手の得意・不得意なコートに注目してテニスを見るのも面白いかもしれませんね。

4大大会のコートの特徴

テニスの4大大会をすべて制することをグランドスラムといいます。グランドスラムは大変難しく、シングルスで達成した選手は過去に男子で5人、女子で7人しかいません。その理由のひとつに、4つの大会で使用されるコートの種類が違うからではないかといわれています。
4大大会で使われるコートは、ウィンブルドンのグラスコート、全米・全豪のハードコート、そして全仏のクレーコートの3種類。もっとも球足が速く、ボールの滑りもいいグラスコートと、もっとも球足が遅いクレーコートの違いに苦しむ選手が多いようです。

クレーコートを苦手とする選手

クレーコートを苦手とする選手には、「サーブ&ボレー」という戦法を得意とする選手が多いといわれます。これは、サービスの後、相手の返球をネット近くで、ノーバウンドで打ち返す戦法。球足が速くなるグラスコートではサービスとボレーの威力が増しますので、もっとも適した戦法だといえるでしょう。
しかし、クレーコートの場合はコートが土ですので球足が遅くなり、サービスとボレーの威力が弱まってしまうのです。

名選手サンプラス

ピート・サンプラスは1993年~1998年で、通算286週世界ランキング1位に君臨した名選手。4大大会でも、ウィンブルドン(全英オープン)7勝、全米オープン5勝、全豪オープン2勝という、すばらしい成績を残しています。
しかし、これほどの名選手であるサンプラスでも、グランドスラムは達成できませんでした。その理由は、苦手とするクレーコートで行われる全仏オープンで一度も優勝したことがないからです。全仏オープンでは、1996年のベスト4が最高成績。決勝に進むことは一度もありませんでした。

全仏オープンだけ勝てなかった有名選手

そのほかにも、4大大会で全仏オープンだけ勝てなかった有名選手がいます。70年代に黄金時代を築いたジミー・コナーズ、80~90年代にトップ選手として活躍したボリス・ベッカーやステファン・エドベリなども全仏では優勝できませんでした。特にベッカーは、全仏オープンに限らず、クレーコートで行われた大会でついに1度も優勝することなく引退してしまったのです。

クレーコートを得意とする選手

逆に、全仏オープンのようなクレーコートを得意とし、ほかのコートを苦手とする選手がいます。このような選手たちを「クレーコートスペシャリスト」といいます。「クレーコートスペシャリスト」には、南米やスペインの出身者が多いのが特徴。スペインや南米にはクレーコートが多いため、クレーコートでの戦い方に慣れた選手が多いからだといわれています。

グスタボ・クエルテン

「クレーコートスペシャリスト」の代表的な選手は、2000年に世界ランキング1位になったこともあるブラジル出身のグスタボ・クエルテンです。グスタボ・クエルテンは全仏オープンで3回もの優勝を勝ち取っています。

ラファエル・ナダル

最近では、スペイン出身のラファエル・ナダルもクレーコートの大会で活躍中です。グラスコートで行われるウィンブルドンの決勝にも何度か進出していますが、クレーコートでは無類の強さを発揮中!全仏オープンを3連覇しています。現役最強のロジャー・フェデラーも、全仏のクレーコートの上ではナダルに勝てていません。

クレーコートスペシャリストたちの成績

ここ10年の全仏オープン男子では、1999年を除いて南米・スペインの選手が優勝しています。逆に、グラスコートのウィンブルドンでは、南米・スペインの選手は1人も優勝していません。データで見ても「クレーコートスペシャリスト」のクレーコートにおける突出した強さがはっきりと出ています。