エムズテニス便り

2008年01月19日第17話 2008年1月19日(土)

こんにちは。(有)エムズテニスパークの鈴木です。
第17話の今回は弊社が運営しているナスパ・サンピア・多賀城でも使用されている砂入り人工芝コートについて書きたいと思います。砂入り人工芝コートとは人工芝と自然の砂を組み合わせたコートのことで、日本とオーストラリアにおいて広く普及しているコートですが、その他の地域ではかなり稀なサーフェスです。総合プレー性能と耐久性、施工品質の良さで1990年代に急速に普及し、日本における公営コートの多くで使用されています。人工芝と砂の働きによって、自然なボールバウンドの維持をめざしたコートで、ウエットでもドライでも適度な滑りと弾力性の保持が容易なことと、足腰への負担軽減を図る独自の構造を持っています。さらに自然の緑に近づけたサーフェスには、夏の照り返しをやわらげる効果もあります。特殊調整された砂が雨水の排水を促進することで、水切りの手間が低減できます。さらに雨で中断されたプレーも短時間で再開でき、コートの稼働率向上も実現しています。また透水タイプのコートもあり、雨水を大地に還元しますから、土壌特性のバランス維持が図れます。年間100日も雨の降る日本の気象条件に適した砂入り人工芝コートは、人にも自然にも配慮した高性能コートサーフェスとして、全天候(オールウェザー)テニスコートの分野をリードしているコートです。

さて、砂入り人工芝コート=オムニコートと思っている方が多いと思いますが両者は実はイコールではありません。オムニコートは国内では住友ゴム工業(株)のコートだけを指す呼び名で「オムニコート」は住友ゴム工業(株)の商標です。とはいえ、「オムニコート」という呼び名は、オーストラリアのメーカーが開発したサーフェースの商品名であり、住友ゴム工業命名ではありません。よって「オムニコート」ではない砂入り人工芝コートもたくさんあります。砂入り人工芝コート、サンドフィルコート、スパックサンドなどです。ちなみに、住友ゴムの「オムニコート」に対して、東レの砂入り人工芝コートは「スパックサンド」と言います。

ではなぜ日本とオーストラリアでしか普及していないのでしょうか。その理由はさまざまですが、滑りやすさからケガが多いと考えられていること。日本以外では砂入り人工芝コートで行われる硬式テニスの公式戦がほぼ皆無であることからジュニアの成長の障壁となる可能性があること。使用済みの人工芝は産業廃棄物となり世界の潮流と逆行していることが考えられています。

それでは次回をお楽しみに。

<お知らせ>
・1月25日(金)より第51期の優先継続週です。

 

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