エムズテニス便り

2008年02月05日第20話 2008年2月5日(火)

こんにちは。(有)エムズテニスパークの鈴木です。
第20話の今回はラケットの歴史について書きたいと思います。テニスの歴史をさかのぼるとプレーヤーがラケットを作っていた時代がありました。15世紀の 終わり頃のフランスでは、試験に受かるとテニスのプロとして認定されましたが、試合で二人のプロを破ること、自分でラケットが作れること(ガットが張られ ているものではなく板のようなものでした)が合格条件に含まれていました。ガットが張られたものをラケットとして使用するようになったのは、16世紀の中 盤で、これが現在のテニスラケットの原点と考えられています。その後さまざまな形のラケットが考案・開発され、20世紀初頭に現代のラケットに近い型のも のが定着するようになりました。

それでは簡単に歴史を振り返っていきましょう。テニスラケットは1960年代までは木製でフェイス面積が68平方インチのレギュラーサイズと決まっ ていました。その後、1967年にスチール製、1968年にアルミ製の金属ラケットが現れます。1974年には複合材のラケットが登場しました。1976 年には「デカラケ」と言われる110平方インチ、1987年には「厚ラケ」、1995年には「長ラケ」と言われるものが登場しています。

「デカラケ」とは打球面が広いラケットのことです。最近のラケットの打球面サイズは95〜115平方インチが主流ですが、過去には130平方インチ や超大型サイズの137平方インチが登場し話題になったことがあります。「厚ラケ」はフレーム剛性を高めたラケットのことです。当初は従来のラケットの4 倍近くまで剛性を高めたラケットが主流でしたが、最近では剛性をやや落とした軽量のラケットが主流となっています。「長ラケ」は従来のラケット全長27イ ンチ(約685mm)を長くしたラケットで、上記の137平方インチのラケットは32インチ(812mm)もありました。その後、国際テニス連盟がプロの 試合では1997年1月から、一般の試合では2000年1月から全長が29インチ以上のラケットの使用を禁止しています。

それではラケットの質量(ストリングを張った状態の重さ)はどう変化してきたのでしょう。木製の時代は370g〜400g、複合材ラケットの初期は 360g〜375g、その後さらに軽量化が進み300gを切るラケットが現れ、最近の最も軽いラケットは220gに達しています。軽量化は限界に達した感 があり、最近のラケットの特長は軽量化より打球感の改善となってきました。

一般にプレーヤーがラケットに求める性能はパワー・コントロール・打球感ですが、これらの他に「球離れがいい」「ホールド感がある」「安定性がい い」など、微妙な性能の違いを評価する表現があります。また、テニス肘をはじめとする障害とラケットについてスポーツ工学的には未解明の部分があります が、多くのプレーヤーはテニス肘になりやすいラケットを経験的に認めています。

それでは次回をお楽しみに。

<お知らせ>
・2月8日(金)より第51期のコース変更手続きと新規入会の受付を開始いたします。

 

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